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14. 事業展開の新スタンダード

様々なアングルで新しいビジネスの可能性を感じさせる『アンシャンテ伊豆』

茨城県を軸とするM&Aについての考え

今後の小野写真館による展開を考えると、まずはM&Aに関して茨城県が軸になることが考えられるのです。例えば北海道の全く業種の違う会社は買えませんが、茨城県だったらもっと低いハードルで購入に臨めます。同業である写真館、振袖、呉服店、結婚式場が最初に思い浮かびますし、加えてテクノロジー系の会社も欲しい。僕個人としては、お客様と一生のお付き合いをしたい考えに基づいて保険代理店も求めたいです。

ただ、今あげたのは、あくまでセオリーに則った事業カテゴリーに過ぎません。事実、『咲楽』は最初から買収したいと考えていたのではなく、流れてきた案件の「伊豆に四部屋しかない高級旅館がある」という価値ある情報が僕の興味を惹きました。『咲楽』については、正直に申し上げて『アンシャンテ伊豆』の利益で切り盛りできているレベルです。コロナ禍でまだまだ旅館業界全体が厳しい状況ですから、これは致し方ありません。

しかし『咲楽』の買収によって実現できた『アンシャンテ伊豆』が、充分を超える範囲で利益を上げていますから、我々にとって良い結果をもたらす流れになっています。ですから「こういう案件は欲しい」けど、「そうではない案件も欲しい」というのが偽らざる僕の本音。ただ一つ「写真に関連した感動体験に繋がる」という領域であれば、全ての可能性が選択肢となる訳です。その中でもやはりエリアとして、小野写真館の基盤である茨城県は重視することになります。

素敵なロケーションのカフェをM&Aしたい

僕が買収したい事業として具体的に考えている一つがカフェです。そのカフェがフォトウェディングのうえで大きな価値を見出せるなら、ぜひとも買収し、『アンシャンテ○○』と名付けて積極的にオープンさせたい。カフェはカフェとして運営しながら、感動体験の拠点にしていくという目線も持てます。

それがレストランだとしても同様。例えばパッと考えつくのは、競合が多くなるでしょうけれど、軽井沢や那須など自然が素敵なロケーションのカフェです。昼の時間帯を使ってフォトウェディングができるという概念。そんな風に考えていくと、自分がまだ想像もしていない、新たな領域のビジネスが生まれる可能性があるのです。掛け合わせで凄く面白い場所やジャンルが発生していくものと考えます。

Zoomで成約に至る新時代の接客

その成功例がまさしく『アンシャンテ伊豆』です。あのような素晴らしい場所に、誰も打って出られません。だからこそ唯一無二の素敵な写真が撮れるのです。今は月に200万円ほどの売上があって、依頼への対応は全てZoom。接客が全てズームというのは、これもコロナがあったからです。ほとんどのお客様は首都圏の方。通常であれば『アンシャンテ』に足を運んで頂いて衣装合わせを行ない、成約へと至ります。

1プランで衣装を同じにしていますから、Zoomで単価20万円の商品がその場で売れていくのです。これもコロナで生じた社会改革。今後はこの形がスタンダードになっていきます。横浜や東京のお客様は、すでに3割がオンライン接客です。さすがに茨城県ではまだ5%に過ぎません。しかし伊豆はオンライン接客が100%ですから。ネットさえ通じていれば、どんな地方でも20万円の商品が売れます。コロナがなかったら決してこの形にはならなかったでしょう。

伊豆の写真事業を独占しているイメージ

「素晴らしいロケーションなので、嘘なくこれだけの凄い写真が撮れます」と実際にこれまでに撮影した写真をご覧頂き、後はお客様がご利用するかしないかのご判断をしてもらうだけ。我々からすると『アンシャンテ伊豆』がある静岡県河津町だけでなく、そういったビジネスが可能な場所はたくさんあるはずです。

自然豊かな地域であれば、旅館でなくてもカフェやレストランを活用する箱形ビジネスなら充分な利益を生み出します。買っていますから、何事もなければ家賃もゼロ。小野写真館が買収していますから、伊豆でのこの事業を独占できるイメージができあがっています。こんなに凄いチャンスはなかなかありません。