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10. 水戸ホーリーホック[ストロングポイント編]

サポーターと選手と運営が
三位一体となって、真摯に上を目指す!

スポンサーを気遣う、唯一無二のサポーター愛

やはりJリーグですから負けが込んでくれば厳しい声も増えますが、他のチームに比べると、水戸ホーリーホックのサポーターの皆さんは非常に優しいです。「優しい」を「気配りあふれる」という言葉に置き換えてもいいかもしれません。他チームのサポーターさんと比較すると、おそらく顕著な特長になると想像していますが、水戸ホーリーホックのサポーターの皆さんは、サポーター企業をきちんと見てくれています。実際スポンサーになり、本当に愛を感じました。これがビッグクラブですと、正直スポンサーのことまで深く考えるサポーターは少ないと思います。

野球の話になりますが、僕は昔から巨人ファンです。しかしスポンサーに感謝したことなどないですし、「好きなチームをスポンサードしているからこの会社の商品を買おう」と考えたことは、当然ながら一度もありません。しかし水戸ホーリーホックは「チームが存在できているのは現在のスポンサーがいるおかげ」と認識されているサポーターの方が多いように見受けられます。「水戸ホーリーホックのスポンサーだから」という理由のみで商品も購入くださっている。それはやはり小規模で距離感の近いスポーツチームだから、という気がします。良い悪いではなく、おそらく茨城県にある別のチームとでは、その感覚はだいぶ異なるはずです。

プロスポーツチームなので様々な会社がスポンサーとしてジョインします。そのたびに水戸ホーリーホックの公式として情報を出しますが、直ちに多数のサポーターの方々が「スポンサーになってくれてありがとうございます!」と返事をくださる。愛するチームが強くなるためには、しっかりしたスポンサーがつかなければ駄目だと理解されているのです。たくさんのリアクションに、僕は驚愕もしましたし、感動もしました。運営する側の僕たちにとって、こんなにも大きな励みはありません。このまま順調に戦力を強化することができたら、水戸ホーリーホックはもっと格段に完成度の高いチームになれるはずだと確信しました。

リフレインされる徹底した選手への社会人教育

水戸ホーリーホックは選手に対して、もともと社会人としての教育が行き届いているチームです。本当に考え方が昔からしっかりしていますし、実際に行動が伴っています。全選手が人としての社会常識を学ぶことに対し、逃げずに取り組んでいる。僕もそこは大いに賛同します。人の教育に関しては、指導すれば指導するだけ当人から鬱陶しく思われるのがわかっている。それでもしっかり向き合っているのが、チームとして偉大さだと感じます。

悲しいのは、礼儀を身に付けてサッカーも強くなった選手が、他チームからあっさり引き抜かれてしまうことです。プロはお金ですから、これは仕方のないこと。でも正直、大きな徒労感を覚えると思います。それでも水戸ホーリーホックは選手教育を徹底し続けている。僕は「こんなに辛いことを、よく根気よく繰り返せるなあ」と本当に尊敬しています。有望な選手を教育して1年経ったら、すぐに引き抜かれて離れてしまうという残念な事態が毎年起きても全然へこたれることなく、新しく入ってくる選手を同じように教育していく。そして翌年また引き抜かれてしまう。それでも教育を止めない。水戸ホーリーホックは本当にタフなチーム、凄いチーム、素晴らしいチームです。

だからこそ何とかチーム組織の景気を上げ、お金で引き抜かれづらい環境を整えていきたいと、僕は心からそう捉えています。そうでなければ未来永劫その繰り返しで、毎年美味しいところを持っていかれてしまいますから。そういった仕組みを理解したうえで水戸ホーリーホックを愛してくださるサポーターの皆さんがいる。それが本当にありがたいです。チームの本質を好きにならなければ応援できないチームが水戸ホーリーホック。チーム全体の成長をバックアップすることが、こんなにもやりがいに感じられるチームは他にないかもしれません。

スポンサー・株主・役員という三つのポジション

僕は水戸ホーリーホックのスポンサーでもあり、株主でもあり、役員でもあります。そのため、多様な角度から忖度なしの発言ができる。株主の立場としては株式の価値を上げるのも役割であり責任。そうなっていくには、チーム強化が絶対的な条件となります。スポンサー側としての意見も言います。企業としての要望も伝えますし、同時に小野写真館ではないスポンサー様の気持ちが理解できる部分も大きいです。

僕はスポンサーでもあり、役員ですからスポンサードされる立場にもなりました。そのうえで数字の根拠をしっかり考えなければならないポジションへと変化。これまではスポンサーとしてだけの考えで意見を言っていましたが、現在は同時に経営側の人間でもある訳です。いろいろな目線の中で「今、水戸ホーリーホックをどうすべきか?」とベストな答えを見出せるよう日々努力しています。

水戸ホーリーホックと小野写真館。基本的にやっていることは違いますが、立ち位置が一緒ですので、しっかりと共存していくというストーリーが地域に伝わっていけば、それだけで小野写真館と水戸ホーリーホックが連動している意義があります。僕にとって大切などちらの組織も、経営規模の数倍の強さを身につけていく所存です。僕が思い描くこのストーリーに、小野写真館が明確に存在していたということが、5年後10年後にきちんと言えるようになることが最も重要だと考えます。

水戸ホーリーホックがJ1のステージを目指すように、小野写真館も企業として大きな舞台に臨めるように進化を果たしていきます。小野写真館は正直言って、まだ地方企業に毛の生えたレベル。水戸ホーリーホックも、まだ何かしらの大きな実績は残してはいないのです。だからそこそ、あらゆる面で共にチャレンジしていきます。この例えようもないやりがいに繋がるはずだとの信念は揺らぐことはありません。