M&A戦略

最初で最後、最大のチャンスが到来

コロナ禍による急激な社会情勢の変化に伴い、小野写真館にも大きな変化が生じた1年半でした。もちろん順風満帆ではなく、様々な事業の問題も表面化。しかし月並な言葉かもしれませんが、まさに「ピンチがチャンス」と言える絶好の好機と僕は感じています。これは本当に僕の感覚的な捉え方なので自分を信じるしかないのですけれど、僕が経営に携わったこれまでの15年間と、これから何年やれるかわかりませんが、ビジネス人生全ての中で、最大のチャンスが訪れている。そう理解しています。最初で最後、最大のチャンスです。

このような社会変動が起こった時こそ、我々のような中小企業が飛躍的に上昇できる奇跡的なチャンス。ウェディング業界も振袖業界も、大手が壊滅的なダメージを受けています。ですから、どのような規模の会社でも覇権を獲れる可能性が発生している。そう表現しても過言ではありません。加えて、どの事業も全てが再起動になりますから、新規事に関しても桁違いのチャンスが目に見えない形で訪れています。

ギャンブルで大勝利する絶対条件

僕はギャンブルが昔から好きです。感覚を研ぎすませて真剣に行なう勝負事が好きなのだと思います。ギャンブルは、ここぞというタイミングを見計らい、どこかで大勝負しなければ勝つことはできない。まず勝つためのロジックがなければ勝利の確率は上がりません。ロジックは大事ですが、それだけではない。きちんとしたロジックがありながら、どこかで勝負をしないと、絶対に大きく勝てないのです。

経営者は皆、自分なりのロジックを持っています。そう考えると、小野写真館がここいちばんの勝負をするのは、今まさにこのタイミング。我々は東日本大震災や「はれのひ」事件など数々の危機を乗り越えてきました。そして現在、コロナ禍の状況を迎えていますが、僕としては「ここだ！このタイミングしかない」と感じているのです。麻雀もブラックジャックも全てのギャンブルは、確固たる根拠がなくても、ここで大きく張るというポイントが必ずあります。そこで大きく張って、大きく勝つことが絶対的勝利の条件と言えるのです。

もちろんギャンブルですから、その理論で勝つ時もあるし、失敗する時もあります。ただ、ギャンブルだから負けたという結果が残るだけで済む。ビジネスはギャンブルではないので変な無茶はできませんが、それでも今こそが大勝負すべき最大のチャンスだと、僕は理解しています。たぶんここで無難にコロナ禍をやり過ごすだけで勝負に出なかったら、僕は一生後悔するでしょう。それぐらいの確信が僕にはあります。今が間違いなく今後を左右するビジネスの転換期です。

用意周到、あらゆる面で準備万端

実際のところ、コロナ禍の様子を注視しながら、既存事業も新規事業も動かしてきたところがあります。採用も1年間ほど静観しましたが、今ここからが勝負と見ていますから、攻めの姿勢で2022年度開始の4月には約20名の新卒入社を実現する計画です。我々が小野写真館3.0やコーポレート・トランスフォーメーションで進めてきたのは、『既存事業の写真回帰』と、『BABY365』を拠点とするテックビジネスをスケールしていくこと。既存事業も新規事業もスピード感を重視し、ダブルで一気に実現させます。

改めてM&Aの話をしましょう。M&Aをやっていると時期を選ぶことができません。もしも話が今日あれば、僅か3ヶ月後か4ヶ月後には買収している可能性があります。あるいは来年になるかもしれないし、その翌年になるかもしれない。そこは話し合いと状況次第。ですから僕自身は常に臨戦態勢でいます。そうでないと機を逃すリスクがありますから。繰り返しになりますが、3億円や4億円の金額なら、すぐ翌日にでも買収のための振込ができますし、弊社より大きな規模の会社だとしても、財務レバレッジを上手く使うことができます。僕が金融出身なのでそういった手段も使えるのです。

親交の深い金融機関様のサポートを受けて大型の資金調達を果たして大勝負する可能性もあります。場合によっては小野写真館よりも遥かに巨大な企業の買収も充分にあり得るのです。むしろ必ずどこかのタイミングで、その場面が訪れると予測しています。今のところ、そうなるという根拠は何もありませんが。肝心なのは、そのためのお金と心の準備ができているということ。心が整っていても、お金がなければ大きな買収はできません。逆もまた然り。コロナが世の中に蔓延したことで、逆に僕は大きな決断ができました。勝負に行くための準備も万全ですし、ご賛同を頂いた金融機関様がご支援くださる明確な意志も確認済みです。だからいつでも大きな勝負に出ることができます。