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社長メッセージ【ビジネス哲学の伍 学びの章】

若きエリートたちが集うビジネスの学び舎へ、40代半ばで飛び込む本気の意志

新鮮なリアクションが逆に心地良い

小野写真館3.0で、僕は大革新をします。そのためにも自分自身の環境を変えている状況です。グロービス経営大学院(※以下、グロービスで表記)の東京校に通い出したのも、その一環。 グロービスに通うのは30代のエリートサラリーマンが多いので、彼らに比べると僕はだいぶオッサンです。 小野写真館の組織内では、小野哲人個人として意見を言ったつもりでも、社長だからスムーズに通ってしまいます。 僕が「こうだ」と言ったら、社員としては「それは違いますよ」とは言いにくい。それも理解しています。

しかしグロービスでは、決してそうはなりません。学びの場ですから、当然、自分の後ろ盾など一切関係ないですし、忖度する必要も、されることもないのです。 おそらく茨城県内であれば「小野写真館の社長だから」と一目置かれるでしょうが、東京のビジネススクールでは、誰も小野写真館のことなど知りませんから。しかも皆が自分より、かなり若い。

クラスで一つのプロジェクトに取り組んだり、毎回いろいろな議論を交わしたり。立場も年齢も関係ないので、そこが自分としては凄く新鮮だし、非常に気持ちいい。 スクールでは、本当に社長の立場なんて何も影響しませんから。いい意味で、若い層の人たちから、自分の発言に対して、フィードバックをたくさんもらえる。 今まで経験していないことなので、凄く心地良く感じています。

ドラスティックな判断をするための訓練

後ろ盾もない。年齢も性別も立場も関係なく、ひたすら真剣に議論を戦わせることが、とても新鮮。この年になって毎回、新しい気づきを見出すことができています。 小野写真館3.0に突入するということは、もう一回ゼロから小野哲人として勝負に挑むこと。 そういうつもりはなかったけれど「社長だから」と意見が通る環境は、やはり僕自身の成長を止めていました。僕にとってグロービスは、学びの場であり、大いなる訓練の場になっています。

毎回、この会社で、こういう立場だったら、とケースを変え、どんな判断を下すかの訓練です。明確な答えのない議論をします。 僕は小野写真館の社長なので、会社に対して愛情が強く、意志判断をする際、根底の愛情や愛着がどうしても影響してしまう。 ところがグロービスの学びは、特に愛情を感じない会社の文章を読み考えるので、ドラスティックな判断ができる。そこに愛はありませんから。 例えば、「この会社のこの事業は儲かってないのだから、すぐに売却して、そのお金を儲かっている会社に投資する。利益を出して別な会社を救済すべきだ」などという言葉が普通に飛び交っています。

ドラスティックに経営判断することも、非常に大事です。僕自身は小野写真館には根底の愛情があるから、そういう判断は正直できません。 ですが社長として情にだけ引っ張られていては、もし10年後にこの業界のマーケットが半分になった時に責任を取れません。その事業だけしていたのでは、どんなに社員の皆さんを好きでも守ることができないはずです。 愛情と利の判断を両方持つことが重要。心から社員の幸せを願うのであれば、どうしてもドラスティックな判断をしなければいけない瞬間が訪れるかもしれません。

学びに没頭できるのは、社員の皆さんのおかげ

皆で忖度の一切ない議論を繰り返す。そういう学びの場に身を置くことで、本当に新しい自分を構築できていることを実感しています。 ヒリヒリするような突き抜けるビジネスの熱。そこを自分自身で探っている状態です。 こうしてグロービスに通うことができているのも、事業を社員の皆さんに割り振りできているから。 今は僕があまり会社にいませんし、絶対に出なければいけないミーティングも月に二回か三回。かなり自由にさせてもらっています。 社員の皆さんに頑張ってもらっている分、僕の時間を捻出していただいている状態です。

グロービスに通う授業料も小さくありません。交通費もかかっている。結構なお金をかけて行っています。 社長ですから最も給料を頂戴しているし、経費も使っている自分が、この2年間で本当に小野写真館を革新できなかったら、いちばんの金食い虫になってしまう。 それは許されることではないので、絶対に失敗はできないのです。その覚悟で取り組んでいます。 小野写真館の10年後を考え、お客様から頂いたお金による利益の一部を使い、僕の学びに活用している訳です。それを一万倍にして返すということを自らのプレッシャーにしています。

グロービスに通うのが大変なのは確かです。クラスに行くたびに4時間ないし5時間の予習は必要。 過去、アメリカにある写真の大学へ行った時も猛勉強しましたが、現在のグロービスも同様です。 この歳で毎回レポートを20枚書いていますから。夜も寝ずにレポートを書きますが、二つのクラスを取っているので、それはもう大変です。 大変過ぎて「僕は何をやっているんだろう」と思う時もありますが、そういう環境に身を置くことが、ずっと未来に繋がっていくことを理解しての行動。 避けることも逃げることもできないと自分で圧をかけています。常に勉強していなければクラスについていけませんし、それとは関係なく仕事は動いている。そのうえ問題も発生します。 しかし、こういう時代ですから、どこにいてもネットを利用し、仕事も勉強も進められるのがありがたいです。移動時間も含め、しっかりスケジューリングするようにしているので、今の自分は非常に充実しています。