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社長メッセージ【ビジネス哲学の肆 変革の章】

10年後20年後を見据え、抱いた危機感を礎に、再びの革新的事業を目指す

二度目の大掛かりなビジネスのモデルチェンジ

今、僕は意識的にいろいろな場所へ出向くようにしています。首都圏、国内出張、海外出張も含め、様々な場へ出向き、自分が凝り固まらないように、たくさんの人と会う。 僕自身の元々の強みとは、全くの異業種からこの事業に参入したこと。 ただ、最初は新鮮でしたし、がむしゃらに取り組んできましたが、10年経つとどうしてもウェディングや写真スタジオのことなど事情を理解しているために、新しい発想が出づらくなっています。 業界の波の中に存在し続けることの弊害です。自分は革新的な人間だと自負していたのに、実はいつの間にかそうじゃなくなっていた。このままでは本当にまずい。大きな危機感を急激に感じました。 そのため、会う人、行く場所、自分の生きる環境を意図的に全て変えています。

学びの場も含め、全て自らの環境を変えて、そこから新しい事業をつくり出す。 ひと昔前の感覚なら、一回ビジネスモデルを変えて成功すれば数十年は持続したでしょうが、今は世の中の変化が早過ぎて、それはほぼ不可能。 小野写真館も例に漏れず、僕が事業をガラリと変えて10年以上経ちましたが、これであと10年20年維持できるかと言えば絶対にそんなことはあり得ません。 であればもう一度、僕の代でビジネスモデルを全部変えなければいけない。その覚悟も判断も、僕にはあります。小野写真館3.0とは、まさにそういうこと。 そのためにいろいろなことが同時進行、あるいは時間差で進んでいます。とにかく何らかの制限、制約を持たせず、新しい事業をつくり出すことに僕自身の気持ちを集中しているという状況です。

後継者不足の解決や、地元茨城への貢献も事業視野に

M&A的な話で言うと、今いろいろな会社様、多くの方面からお話をもらっている状態です。 そこは自分たちが参入すべき領域なのか。率直に申し上げて様々な軸があります。 写真に繋がる事業もあるし、同業の事業も関わっている。茨城県内の軸もある。 他には、僕に会社を経営してほしいという話も出てきています。「後継者がいない」という世の中の流れもありますから、もしかしたら今後、僕がプロ経営の会社を立ち上げるかもしれません。 小野写真館とは全く別の事業を僕が買収して、小野写真館のスキームで組織を再生させるか、全然別の事業をつくっていくという可能性もあるでしょう。 そうして事業を通し、茨城県に貢献したい想いも、僕にはあります。

興味深いのは、僕が、考え方や捉え方の枠を思いきって外してから、たくさんのお話をいただくようになったことです。 本当に日々いろいろな会社様から様々な話を頂戴しています。議題に乗っている段階ですから、まだ「これだ」と言える状態ではありません。 ですから、今後、驚くようなアナウンスをするかもしれない。いずれにしても、具体的なビジョンも含め、小野写真館が本当の意味で成長できる行き先を見極めている状況です。

手法はいろいろなパターンが考えられます。 しかし例えば、僕がテクノロジーの会社を立ち上げるのであれば、チャレンジする際にもし何かあって小野写真館にリスクが生じると、今の社員さんに迷惑がかかってしまう。 今現在、小野写真館は資本を使っていません。デッドファイナンス……いわゆる銀行からの借り入れだけで事業を行なっています。 あるいはテクノロジーの会社を立ち上げるのであれば、ベンチャーキャピタルの意味では資本調達をして大きくチャレンジする可能性も否定しません。イケイケ状態での出店路線から変更することで、僕の視点は変わり、その視野は大きく広がりました。

サービス業の転機となるビジネスをつくりたい

飲食を含め、サービス業の様々な事業を見ても、最終的に5%や10%程の利益が出ないモデルが多いと、僕は感じています。 当たり前のように、給料などの人件費、店舗家賃、広告費を原価でビジネスすると大きな利益が出づらい。 一方、僕が打ち出そうとしているのは、人から生まれる感動体験と、テクノロジー、あるいは異業種との掛け合わせ。具体的に言うと営業利益が20%以上の事業をつくることです。

働く人々にとって「給料が安い」だとか「働く環境が悪い」などの悪しき状況を改善していきたい想いが強くあります。ビジネスそのものだけでなく、サービス業を取り巻く人々の考え方も変えていきたい。 実現するためには、綺麗事の正論ではなく、何かを掛け合わせ、参入障壁が高くて収益が出るビジネスをつくり出すことが必須です。 従業員の給料を増やす。休みを増やす。世の中の流れの中で、各々が私生活を充分に楽しめる。僕にとっての大きなテーマとして、それら全てを実現できる会社にしたいのです。

僕自身は小野写真館の二代目として会社を引き継ぎ、ここまでやってきましたから、その経験を活かして、後継者のいない会社を引き受けて、何か違う事業体に成長させることにも興味があります。 だから今後は、そういった展開が生まれるかもしれないです。 繰り返しになりますが、本当に全ての可能性を否定しません。ありがたいことに、周囲の銀行様のルートを含め、直接的にいろいろな声を頂戴できる状況です。 様々な可能性を信じながら、ベストな形で進んでいこうと考えています。