小野写真館代表取締役 小野哲人

株式会社 小野写真館

312-0042
茨城県ひたちなか市
東大島2-2-16

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原子力政策について自分なりの意見

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 先日、管直人首相が「浜岡原発の停止」を発表しました。

原子力問題については、様々な意見があります。あくまでも個人的な意見です。

この問題に意見する事はリスクしかないですし、述べない方が楽ですが、

あえて自分の見解を述べます。

 まず理想論から言えば、僕も原子力がない世の中がいいです。

そんなのいいに決まってます。全人類が同じ気持ちじゃないでしょうか。

 でも、

 原子力だからという理由で、対案なしに全てを反対する事に

僕は賛成できません。

 この世界は、人間が地球で生活を始めてから、あらゆる進化と

変化を繰り返してきましたが、一度進んだ進化を止める事は、

現実的には難しいですし、その進化を止めるべきとは思いません。

 エネルギーに関して言えば、石炭から石油へ、そして

石油から原子力へと変遷してきました。

 そしてその変化の過程で、人類は沢山の受け入れたくはない

人の死を経験してきました。

 石炭がエネルギーの柱だった時、炭鉱では沢山の人の命が

奪われました。それは石油にエネルギーの中心が変わってからも

同じ事です。 

 現実は、石炭でも石油でも

数で表すと驚くほどの人達が変化の過程で亡くなっているのが

事実だそうです。

 数字で表してしまうと、テラワット(100万メガワット)当たりの死亡者は、

石炭が161名、石油が36名、原子力は0.1名。安全性で考えたら、

原子力が圧倒的に安全との事です。

 もちろん、原子力には見えない恐怖や、周辺環境への影響が甚大の為

数字だけで判断するべきものとは思えませんが、上記の数字が現実だ

という事も事実です。

 そして今日本は、原子力という現在のエネルギーについての岐路

を迎えていると思ってます。

 石油は限りある資源です。何よりもここが原子力との違いです。

これから、世界の人口の4割を占めるインド、中国、そして発展途上国

の人達が、少しずつ僕達日本人のように当り前のように電気を

使うようになっていくのは、事実であり現実です。

 日本は全国民が電気を当り前のように使える世界的に見たら

かなりの少数に位置する国です。

 そして世界の人口の大部分が皆電気を使うようになれば、

今の何倍もの石油が必要となります。

 石油が一生涯枯渇しないという事が証明されればいいのですが、

 いつかは世界から、石油が枯渇する事は当り前な事です。

 そうなると原子力が現段階においては、世界の電気需要を

満たす事ができる唯一のエネルギーであるのが現実です。

 
 あのビルゲイツは原子力についてこう表現しました。

「原子力にはほとんどイノベーションがなかった。それがこの産業の魅力だ」

参照 池田信夫氏ブログ

 
 世の中は、絶えず変化しています。昔石炭がエネルギーの最先端でしたが、

原子力のエネルギー効率は石炭の数百万倍もあるそうです。

 そして、その他にも電気パネルや、風力などもありますが、

それを実現するには原子力とは比較にならないほどのコストがかかる

との事です。

 お金と命を同じレベルで論じるな!そう思うのも理解できるのですが、

 もちろん「No原子力」を実現するために、全国民が今の

何十倍もの電気料金を支払えば実現できます。

 ただ、もし個人でいくら電気料金のコスト上昇に対応すると言っても、

それが企業となると、簡単な問題ではすみません。

 電気料金の上昇、及び計画停電の可能性のある綱渡りの電気状況では、

特にこの浜岡原発がある中部地方には、トヨタ、ズズキのような、

日本を代表する自動車産業の拠点が複数あります。

 今の状況が今後続くとなれば、製造業は国外に製造拠点を

移動するしか方法がありません。

 何故ならグローバル社会での資本主義は、世界の企業とも

戦っていなかければならないのが現実です。

 現に日本を雇用の面でも税収でも支えている製造業では、

もちろん今でも日本企業は世界有数ですが、韓国のサムソンや

現代に物凄い勢いで、おいかけられていて、今後需要が確実に伸びる地域の

アジアやインドではショックな事ですが、日本企業よりも韓国企業のが

シェアを獲得しています。この現実は将来日本に、雇用という面で

跳ね返ってきます。
 

 もちろん現在でも産業の空洞化は問題になっておりますが、

日本企業は、最低限の雇用や下請け企業を守る為にも、人件費コスト

が世界一高い日本においても製造拠点を設けてます。

 最近ではリーマンショックの時に大企業が派遣スタッフを中心に

リストラをして、日本でも社会問題になりましたが、今回の問題は

エネルギー政策という一時的な問題ではなく、根幹の問題なので

リーマンショックを超えるリストラが起きる事も予想されます。

 そうなっても、国民は誰も企業に文句を言わないでしょうか?

国がその分補てんすればいい、と考えるかもしれませんが、その

原資はどこからくるのでしょうか???

 そうでなくても税収が落ち込み、財務デフォルトの可能性のある

日本でです。

 でも今回の電気の問題は、そうもいっていられない状況なのは

火を見るよりも明らかです。

 もし日本の製造拠点が海外に流出したとします。そうなれば

当然ですが雇用が失われます。そしてその工場を中心に栄えていた

経済圏が完全に消滅します。

 さらには、その工場に製品を納めていた下請け企業に仕事がなくなります。

仕事がなくなれば当然リストラが起こります。もちろん設備投資も

冷え込みます。

 そして間接的に工場がなくなった街の経済活動、消費活動が

消滅します。

 ようは、ここでは書ききれないほどの負のループに入り込み、

日本経済は瀕死の状況、自殺も増えて、街は失業者で溢れかえります。

 この状況は決して大げさな話だとは僕は思いません。

 その位、原子力の全否定は大きなインパクトがあります。

僕は、今回の管総理の決断には違和感を覚えました。

 今まで原子力については「安心安心」と言い続けてきたのに

急に「原発停止の決定」、そして静岡で大地震の可能性が80%という

数字を持ちだした・・・・

そんなの前から言われてる事なのに急にです。

 そして、日本国内には沢山の原発があるのに、今回の地震では全く影響の

なかった浜岡原発だけの停止・・・

 これについても、僕にはとりあえずの国民からの人気取り政策にしか見えません。

 

民主党は政権を獲得した時、子供手当、高速料金無料、ガソリン税撤廃、

公務員人件費2割減をマニュフェストにし、そして国民に選ばれました。

 全ては国民からしたらバラ色の政策です・・・。

現実はどうでしょうか???民主党は1つとして政策を実行できていません。

最終的には、現実をみないで、バラ色の政策を支持した国民に全てが

跳ね返っているのが現実です。

 そして、

今回の急な原発停止は、僕個人的には、民主党が政権を獲得した時と

同じ臭いがしてなりません。

 原発停止という国民にはバラ色の大衆迎合的な政策によって

もしかしたら民主党の支持があがり、管首相の支持率もあがるかも

しれません。

 でも大事なのは、支持率でも何でもなく、日本そのものだと思うのです。

政権の覇権争いとか、自民党とか民主党とかそんなのどうでもよくないですか???

子供の未来の為に原子力は反対。その気持ちよくわかります。ぼくも

東海村原発10キロ以内の場所に4人の子供もいますから・・・

 ただ、この原子力政策によって日本は世界的潮流から外れ、

日本沈没の危機を考えると、それこそ子供達の将来の日本は借金だらけ、

それですむならいいですが、子供達の為の教育費だって捻出できない

社会になる可能性だって十分あると思ってます。
 

 僕は子供達の未来の為に、あえて原子力と共存していく道が

正しいのではないか、と考えてます。

 僕が住んでいる茨城県ひたちなか市は原子力施設がある

東海村から全域が20きキロ圏内にある街です。

JCO事件では僕の自宅は10キロ圏内だったので、

外出禁止令がでました。

 僕達は原子力と共に生きるしかありません。

もちろん東海村で大きな原子力の問題が起きたら、

会社なんて一瞬のうちに倒産するだろうし、自分達の命だって

わかりません。

 でも僕は、この地で今後もビジネスを続け、この街で生き続けます。

だって、それはこの地で命を頂いた運命ですから。

 何か問題が生じて、そこから逃げるのは簡単です。

でもこういった危機にこそ、人知を結集して、より安全な原子力の

体制を追求すべきだと僕は考えます。

 今現時点で、原子力との共存をなしに、日本の未来があるとは

僕は思えません。
 

 もちろん、原子力以上のイノベーションによって新しい

安全なエネルギーが世の中にでてくれば別ですが、現時点では

人類の進化を止める事はできないと考えてます。

 このブログを読んで、気分を害される方もいると思います。

申し訳ないです。あくまで個人的な見解です。

今日も読んでくれてありがとう!

小野 哲人

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